星の王子さま
このLPTPのサイトのモデルでもある、星の王子さまの記念館が箱根にある。
体裁は児童文学ながら、世界中で愛されるこの物語の魅力とは?!
『星の王子さま』のあらすじ
パイロットの「ぼく」は、ある日サハラ砂漠に不時着する。
1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、ある小惑星からやってきた王子と出会う。
王子の話によると、王子のいた星には、
1輪のバラが咲いていた。
王子はバラを美しいと思い、大切に世話していたが、ある日わがままなバラの花にうんざりし、王子は他の星の世界を見に行くために旅に出ることにした。
王子は他の惑星を訪れたが、そこで出会うのは
体面ばかり気にする王さまや
賞賛の言葉しか聞き入れない自惚れ屋、
酒を飲む事を恥じながらもそれを忘れるために酒を飲む呑み助、
星の所有権を主張しその数をひたすら勘定するビジネスマン、
1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫に、
自分の机を離れたこともないという地理学者など、変わった大人ばかりだった。
王子は最後にやってきた地球で砂漠に降り立ち、まず蛇に出会う。
その後、王子は数千本のバラを目の当たりにする。
自分の星のバラを愛おしく、特別に思っていた王子は、自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、
自分の愛したものはなんてありふれてつまらないものであったのかと、泣く。
そして泣いている王子のところにキツネが現れる。
遊んで欲しいと頼む王子に、なついていないから遊べない、とキツネは言う。
キツネによれば、「なつく」とは、あるものを他の同じようなものとは違う特別なものだと考えること、あるものに対して他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけそれをよすがに思い出すようになることだという。
これを聞いた王子は、いくらほかにたくさんのバラがあろうとも、自分が美しいと思い、精一杯の世話をしたバラはやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだと悟る。
キツネと別れるときになり、王子は自分にとってキツネがとても大切な存在になっていたことに気付く。
別れの悲しさを前に「相手を悲しくさせるのなら、仲良くなんかならなければ良かった」と思う王子に、「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなった事は決して無駄なこと、悪い事ではなかった」とキツネは答える。
別れ際、王子は「大切なものは、目に見えない」ことをキツネから教えられる。
日々飛行機を修理していた傍ら、こんな話を王子から聞いていた「ぼく」は、ついに蓄えの水が底をついてしまった。
「井戸を探しに行こう」という王子に、半ば諦めながら「ぼく」はついていき、なんと本当に井戸を発見する。
「ぼく」は王子と一緒に水を飲みながら、明日で王子が地球に来て1年になると教えられる。
翌日、奇跡的に飛行機が直り、「ぼく」が王子に知らせに行くと、王子は蛇と話をしていた。
王子が砂漠にやってきたのは、1年前と星の配置が全く同じ時に、蛇に噛まれることで、自分の小惑星に帰るためだったのだ。
別れを悲しむ「ぼく」に、「自分は自分の星に帰るのだから、きみは夜空を見上げて、その星のどれかの上で、自分が笑っていると想像すれば良い。そうすれば、君は星全部が笑っているように見えるはずだから」と語る。
翌日、王子の身体はなくなっていた。王子が自分の星に帰れたのだと「ぼく」は考え、夜空を見上げた。
王子が笑っているのだろうと思えば夜空は笑顔で満ちているかのように見えた。
しかし、もしも王子が悲しんでいたらと思うと、そのうちのひとつに王子がいるであろういくつもの星々がみな、涙でいっぱいになっているかのように見えた。
評判
児童書ながら、子供の心を失ってしまった大人に向けての示唆に富んでいる。
Le plus important est invisible
「大切なものは、目に見えない」を始めとした本作の言葉は、生命とは、愛とはといった人生の重要な問題に答える指針として広く知られている。
この作品の元になったと思われる、1935年のリビア砂漠での飛行機墜落事故の体験は、サン=テグジュペリによる随筆集『人間の土地』で語られている。
星の王子様ミュージアム
サン=テグジュペリ生誕100年を祝した世界的記念事業の一環として、世界ではじめての星の王子さまミュージアムが1999年にオープン!
ミュージアムの中心となる展示ホールでは、写真や手紙、愛用品などの資料展示や彼が過ごした当時の風景が再現され、サン=テグジュペリの生涯を紹介し、『星の王子さま』が生まれた経緯を解説している。
また、映像ホールではサン=テグジュペリの生涯と『星の王子さま』の物語を紹介した映像が400インチのスクリーンで楽しめる。
エントランスを抜けると、フジザクラやハンカチの木、アジサイ、バラ、クリスマスローズなど四季折々に楽しめるガーデンが広がっている。
園内各所には色とりどりの鉢植えがおかれており、恵まれた自然環境の中で、季節の移り変わりを感じられる。
星の王子様のストーリーをモチーフにした食事なども楽しむことができる。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
サン=テグジュペリは、フランスのリヨンで生まれた。
幼少の頃飛行士に憧れ、飛行士として活躍しながら、作家デビューし、数々の作品を発表。
飛行士の体験をもとに『南方郵便機』(1929年)『夜間飛行』(1931年)『人間の大地』(1939年)などを出版。
第二次世界大戦中、亡命先のアメリカにて『星の王子さま』を執筆し、1943年に出版。同年軍に復帰し、翌1944年7月31日地中海コルシカ島から偵察飛行に飛び立ったまま、消息を絶った。
春は出会いと別れの季節。
たまには気分転換にぶらり旅をしませんか。
星の王子様ミュージアム ツイッター→ https://twitter.com/HoshiMuseumTBS
参考URL→ http://tbs-blog.com/l-prince/category/7879/?category_id=7879